2012年08月26日

行動援護環境ホームのアセスメント勉強会の巻き

今年は、むそうと岩手県田野畑村と沖縄県浦添市!

「行動援護環境研究会」ということで。行動援護が必要な人のホームについて。


どんな配慮が必要かという研究を。国土交通省から補助金頂いてやっているのですが。

今年は、寒い所と、熱い所とで。必要な配慮も違うだろうと。

本州で平均気温が一番低いと言われている岩手県田野畑村と。

これから来るであろう台風が心配される沖縄で。ホームを建ててみることになりました。


田野畑村に行く途中。南部曲り屋という不思議な作りの家を見ました。

sasaki.jpg
http://www.bunka.pref.iwate.jp/seikatsu/jyutaku/data/nouka1.html

雪降る農村で。農耕馬と人が共存するために創造された間取り。

こういう地域性を加味することが、行動援護環境ハウスにも必要なんじゃないだろうか。


沖縄は、木の家もわらの家もオオカミさん(台風)に飛ばされるから。

ブロックや鉄筋コンクリートで家を作らないといけないらしく。

そうだとして。例えば、音の反響の問題など。

必要な配慮がまた、違ったりするのかも知れなくて。

okinawa.JPG

先日。1泊2日の強行軍でしたが。予定の物件を見るのと。

行動援護環境ハウスをやる浦添の若竹会さんの職員の皆さんと研修するために。

沖縄初上陸して来ました。(=^・^=)

飛行機怖いので。今まで沖縄には機会があっても全部断って行きませんでしたが。

行ってみると。くせになりそうに。やっぱりいい所ですね。


そんなことで。岩手と沖縄。そして、昨年の総括を生かしてむそうでハウス。です。


昨日、今日と。むそう職員+昨年度行動援護環境ハウスを作った事業所職員で。

行動援護環境ハウス利用希望者の入居に向けたアセスメント勉強会をむそう愛知でしました。

田野畑や浦添でも。同様の勉強会が同時進行で始まっています。


むそうのケアコンサルで、ずっと関わって頂いている山口久美さんと。

北海道にノースカロライナを凌ぐような実践を作り出した。

はるにれの里 http://hiromoto.seesaa.net/article/130124214.html 
       
       http://www.harunire.or.jp/ 佐藤貴志さんと。

横浜市発達障害者支援センター長 小林信篤さんと。

超豪華。ありがたやありがたやな講師陣で。各地で研修が行われます。


2日間、発達障害や自閉症などの基本的な理解。理念的な確認。障害特性を学び。

昨日、今日はそれに基づいた具体的な入居希望者の障害特性に関するアセスメント。

そして、次回、3日間かけて、その見立てが正しいのか。

障がい当事者に参加して頂いて。

作ってみたワークシステムで活動が出来るか。

スケジュール通りに、外出が出来るかなどを実際にやってみて。

その上で、必要な配慮をしたホームの間取りを考えるという研修、全7日です。


行動援護対象の人のホームは。初日で、全部決まってしまう。

すんなりした、ゆとりのある生活環境を手に入れるか。

誤学習に彩られたこだわり満載の生活になってしまうのか。

それは、事前の準備にすべてがかかっている。だから。しっかりした準備が必要です。

また、どんなに準備をしても。彼らは彼らなりの適応をして。予想外の行動が始まるから。

事業所毎に。それに対応して、その時々の彼らに適切に応えられる職員を育てないと。

物件は立派でも。あっという間に崩れてしまう入居者が出ますから。

たゆみない人育てが一番大切な訳です。

Evernote Camera Roll 20120826 162017.jpg

先日。沖縄に行った時に。お忙しい人に突然に。

那覇市役所の島村聡さんという方にお会いしたのですが。その島村さんが。

障がいのある方の想いをみんなで共有する方法として力を入れてきた想いのマップ。

それを。まずは時間を掛けて。丁寧に作り。

Evernote Snapshot 20120826 162223.jpg

その願いを叶えるための環境を整理します。

暮らしの場は。生活全体の中の安定の中でしか。

落ち着いた安心できるくつろぎの場にはならないから。だから、全体性をしっかり見立てる。

就労支援だけとか。社会参加支援だけとか。単価のおいしいピンポイントの支援しかしない。

「在宅支援事業所」には出来ない。

暮らしの全体を。ターミナルケアまで見通して支える「地域支援事業所」だから出来る。

贅沢で、力強い支援計画を。本人の可能性を信じて組み立てる。

Evernote Camera Roll 20120826 161944.jpg

議論は、延々尽きませんし。スタッフみんなが、本当に楽しそうです。


7日間も掛けて、勉強し、カンファレンスしても。アセスメントが終わるのは一人だけ。

これを、入居対象者分。まじめにやりたいわけです。


これをやっていると。

障がいのある方の毎日の暮らしを見ていない相談支援員が。

数時間のアセスメントでサービス利用計画を作る、今の相談支援体制の方向性の無理さを。

しみじみ、じみじみと。痛感させられますね。


ローマは、一日にしてならずです。

同じ障がいのある人と。同じ職員が。

毎日じっくりじっくり向き合いながら。人が育つ環境を。

しっかり作り、守るのが。経営者の一番の仕事であり。喜びですね。


2013年1月11日12日13日の予定で。これらの研究の総括も含めた。

日本地域共生協議会主催のフォーラムを。東京で考えています。

むそう東京が墨田区で開業なので。スカイツリーのあるソラマチでやろうかと。

乞うご期待です。
posted by toeda at 17:46| 愛知 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 行動援護環境研究会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
知的障害者施設で働いおります。行動援護療法は以前から学習したいと思っておりました。
次回の学習会がありましたら教えてください。
Posted by 森隆行 at 2012年09月02日 19:08
森隆行様>療法。(^_^;)

僕達は、その方の障がい特性と発達年齢から。

何が困難で、問題行動があるとしたら何のサインなのかを。

生活全体の環境をその人に合うように変えることで。

その人の持っている力を最大限、前向きに使える
ようにしよとしているのであって。

本人に何かを教えて、行動変容しようとは、思っていません。

てか。学習の行動変容だけでは、社会適応が難しい
人達をどうするかを考えている感じですかね。

そのための学習会をしているのです。

で。それを一般化するかは。

正直、今、相当悩んでいます。

むそうのなかなか優秀なスタッフでも。

この研修を3回受けて、日々の現場で確認し、と
いう感じでも、何となく意味がわかって、障がい
のある方との向き合い方が変わったかなぁって
感じで。

数日間の研修で、現場実践が変わるかというと。

相当難しいんですよね。

むしろ。中途半端な知識で障がいのある方に
アプローチして大混乱させる可能性すらある。

まあ。数ある何とか療法の教祖様達も。

成果を上げている所ほど、この問題で悩んでいる
ように思います。

どうしたもんでしょうね。

ということを。一緒に考えましょう。

って位のスタンスで。

1月は、考えています。
Posted by とえだ at 2012年09月03日 14:19
>障がいのある方の毎日の暮らしを見ていない相談支援員が。
>数時間のアセスメントでサービス利用計画を作る、今の相談支援体制の方向性の無理さを。
>しみじみ、じみじみと。痛感させられますね。

本当に、その通りだと思います。
相談支援専門員だからこその痛感でもあります。
生活なんて、その人のことなんて、そんなに簡単にわかるものじゃない。その人の歴史そのものなんでしょうから。

はぁ・・・力のなさに痛感。
と言いつつも、何とかしなければ。
Posted by こおめい at 2012年09月03日 15:45
こおめい様>相談支援とか自立支援協議会とかの
不全感は、システムの不具合ですから。

特に、相談支援の無理さは、人員とニーズのボリ
ュームのアンバランスさの問題と。

業務が未整理だという問題とも絡みますから。

くれぐれも、自分を責めないように!(^_^;)

制度的に整理しないと何ともならんと思いますよ。

今は、目の前の誰かに。

月に一度でも、しみじみとありがとうを言われるなら。

良い仕事してるな俺って感じで、充分でしょ。
Posted by とえだ at 2012年09月03日 17:20
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