今日はちょっとまじめに。小沢一郎を考える。小沢一郎。民主党の代表に就任。 http://ozawa-ichiro.jp/index.php民主党に後から合流した小沢さんとしては、党内一致で押されて代表になら
ない限り、実質的に民主党を掌握できなかったでしょうから、今回はまさに
待ちにまったシチュエーション。最高の状態での代表就任でしょう。
今までの壊し屋的なイメージから、マイナスの評価もありますが、やはり、
就任後の動きや一遍に変わった民主党の雰囲気を見ていても、真打ち登場
という感じです。
この小沢さんの登場。障害保健福祉の分野から考えると、とても影響がある
ことだと思うのです。小沢さんは、医療・福祉は税で、とりわけ、消費税上げで今後のニーズに
対応するべきだというのが持論です。
しかし。民主党はずっと介護保険制度のエイジレス化を主張して来ました。
つまり。介護保険制度活用で障害はもちろん、子どもの必要な介護的支援
も含めて対応するべきだという考えなのです。
まず。ここをどうするのか。民主党は税財源で行くと考えるのか。
それとも介護保険制度の活用か。僕的には。介護保険制度の活用の方がいい。もちろん今の障害保健福祉
予算は税財源で残して自立と社会参加に使いながらというのが持論です。
税財源、とりわけ消費税は集めるところからきちんと集まっているのか疑
わしい。それに、本当に集めたすべてが福祉に使われるのかも疑わしい。
もともと福祉目的税と言っていたけれど。実際どうですかね?
詐欺師の手口は同じ手口で繰り返すものです。
また、市民が福祉の支え手としてダイレクトに参加している感じを
持たないと本当の意味での地域福祉は構築できないと思いますが、
そういう感じを介護保険制度の方が持ちやすい。自治体毎の制度ですから。
しかし。介護保険制度にも致命的な欠陥があります。介護保険制度が致命的にダメなのは、国が運用を決めていること。
自治体毎で完全に運用も含めて決められるようになったら本物の制度になる
と思います。それには、国の地方を信じる思い切りと地方自治体の自治能力
の向上が絶対条件でしょう。
地方と都市部で同じ支援では、移動の問題も含めて全くダメです。もうひとつは。判定基準と基準報酬の額がダメ。
寝かせたきりの人が要介護5で動きっぱなしの人が3か4。
どちらが大変か。それはもうはっきりしたと思います。
障害者自立支援法でも、うちの利用者の認定調査をシュミレートして見ま
したが、行動障害のかなり強い人で障害程度区分が4か5しか出ず、
知的に最重度でも大人しい人が、軽いマヒなどの身体的な障害を持ってい
ると一番重い障害程度区分6が出たりします。
こういった判定の見直しと、どんなに大変な人でも36万円までしか支給され
ない頭打ち支給の問題。この2点がクリアできないと障害団体としては、
本気で介護保険活用という運動になれないと思います。
そんな前提で。(-_-メ)それでも。介護保険制度の問題点を直して、スウェーデンのような、地域
毎に責任を持ってお金を納めて運用までする地域福祉の仕組み作りを目指
したいと個人的には思うのです。その方がいいと思います。
税でやっている限り。国からの運用的支配は終わらないと思いますから。小沢民主党が強烈に「消費税で福祉・医療を!」とやってくれた方がいいか
なぁと思います。格差社会の是正が政策的な争点になってきましたから。
もともと民主党には、若手を中心に福祉に熱心な議員が多いですし。
与党は障害者自立支援法の成立過程の障害団体の運動にうんざりしている
議員が多いと感じます。障害団体には会いたくもない感じ。
消費税上げのタイミングでいくばくかの掴み金をつかませて、それで終わり
でいいじゃないかという雰囲気。個人的に受けている感じですが。
民主党が強烈に「消費税で福祉・医療を!」とやってくれれば、与党は対抗
して「介護保険制度で福祉・医療を!」と対立軸で応えざるを得ないでしょう。
そうなるといいなぁ。本当に。
いつも言いますが。すべての生きにくさを持っている人が人間らしく地域社会で生活を続ける
には、まだまだ財源が必要だと思います。支援費制度と障害者自立支援法
で用意されたお金ではまったく足りない。
与党も野党も真剣に「健康で文化的な最低限度の生活」を「すべて国民は」
権利として保障されていることを考えて欲しい。
欲しいじゃなくて。願うだけでなくて。考えてもらう仕掛けを。いずれにしても。小沢さんの登場でやっと国会に本質的議論が戻ってくるで
あろうことを期待します。
その流れを機敏に読みつつ。持論を曲げずに。理想を追求したいと思います。